DRC1日目

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17ヶ国目 コンゴ民主共和国 (地図橙色

やっぱ待たすよね、アンゴラさん…

昨日はアンゴラの移民局の庭で一泊させてもらって、朝の8時から業務が始まるということでそこから出国の手続きとなりました。本来出国の手続きというものは入国の時と比べると、とても簡略なものなので、30分〜1時間もあれば終わってしまうことがほとんどです。でもさすがアフリカの中でも非凡な国のアンゴラさん。なんと結局昨日のアンゴラ入国の時と同じ、いやそれ以上の5時間超えという大記録をレコードしてくれました。その間はトラックの中で本読んだり、音楽聞いたり、それに飽きたら外でフリスビーをしたり、それでも時間が余って不貞寝したりと。まったく理不尽なまでに待たせてくれるんですよね。アンゴラさんは。

結局なににそんな時間がかかったのかというとパスポートの本人写真やビザ、黄熱病の証明書などを逐一パソコンにスキャンして、それを本国に移送する作業を全員分していたからだそう。そりゃこんな辺境にあるアンゴラの移民局なんかが持ってるコンピュータの性能なんてもう最低レベルなわけで、一人につき20分かかったというのだから計5時間を要したとしてもまあ可怪しくはないですよね。次回2度目のアンゴラ入国が思いやられます。次は6時間超えか?

その後にはもちろんコンゴ民主共和国への入国が待ち受けています。これにも約1時間強かかって、結局今日は300m進むのに6時間と30分かかりました。昼飯もまたトラックの中で平素に済ましてトラックは遅れを取り戻すように進み始めます。

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するとコンゴ川がみえてきました。といってもここは川が大西洋へと流れ出る河口なので、ほとんど海と見分けがつかないほどに開けたところとなっていました。

f:id:baobab-no-ki:20170317212527j:plain川なのに波もあるし

なんでもコンゴ川は世界第2位、アマゾン川に次ぐ流域面積を持っているそうです。ナイルが2位じゃないんですね。だからこの流域にはコンゴ王国という文明が栄えたのだとか。やっぱり大河には古代文明がついて回りますね。ナイル川とか黄河とかね。

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巻頭の地図でみるとDRCってとても大きな国に見えますよね。ここはアフリカ第2位の国土を有しています。でも上画の白い矢印の通り、僕たちは西に海に面するニョロっと突き出た部分しか走ることはありません笑。なんかそれでDRC全体に色塗っちゃうていうのにはすごく抵抗あるのですが、まあ致し方ないですね笑、一国単位でしか色を塗ってけないシステムなので。

あっ昨日の記事ではなんの説明もなしにコンゴ民主共和国(旧ザイール)=DRCとしてしまってました。これからはコンゴ民主共和国とイチイチ言うのも長くて面倒なので、英名のDemocratic Republic of Congo の頭文字をとってDRCと省略することにします。コンゴと略してしまっても隣国のコンゴ共和国と混同することになるのでDRCで。

 

明日からはアンゴラとの国境の町マタディを目指します。

アンゴラ1日目最終日

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16ヶ国目 アンゴラ共和国 (地図黄色

朝の6時、まだ夜も明けきらない中テントを片して、パンを齧りいざ出発。今日は鬼門アンゴラに入る日です。といってもタイトル通り1日で終わるのですが…その理由は後ほど。

ポワントノワールコンゴアンゴラの国境にある港町なので、1時間もすればボーダーに到着。でもここから長い戦いとなります。通常の国境手続きはこれまでの経験上長くても3時間あれば終わってしまうものでした。しかしここではコンゴからの出国手続きは実にスムーズに終了したものの、その次のアンゴラ入国がもう大変だったのです。

f:id:baobab-no-ki:20170317174726j:plain6畳ほどの部屋に17人がはいってもうぎゅうぎゅう

移民管理局の一室に通されて、まずそこで入国の書類を記入することから始まりました。ここは何を書けばいいんだの、やらこの町の名前のスペリングは何だの、だの押し問答が続き、それだけでも1時間ほどを費やしました。まあクーラー効いた快適部屋だったから逆にクールダウンできて良かったけれど。

その後にはまた車に戻って、ひたすら待機。1時間経っても、2時間経ってもなにも動く気配がありません。それまた1時間、時刻はもう13時に近づいていました。これは昼飯は作れないな、ということで車内でパンにジャムをつけて食べるハメに。アンゴラ入国手続きから計4時間半経ったころ、ようやくアンゴラに入ることが叶いました。

まあその入国して10分で検問に引っかかって、30分また足止めをかけられたので、実質5時間超えですね。笑えない。

僕たちが入ったのはアンゴラのカビンダ州。巻頭の地図を見てひとつ国ぶっ飛ばしてないかと思われたかもしれません。それもそのはずそのカビンダというところはアンゴラの飛び地で、コンゴ民主共和国(以下DRC)を挟んだ北部に位置するところなのです。下の地図拡大図を見ていただければわかりやすいかと思います。

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つまり僕たちは今日この飛び地カビンダ州に入って、一度アンゴラを抜け、DRC(カビンダとアンゴラ本国の間にある白い部分)に入国、そして再度アンゴラに入国するというわけです。普通はカビンダなんて飛び地なんて無視して、コンゴ→DRC→アンゴラの順で入っていくのが自然なルートかと思われます。ではなんでそんな面倒な手順を踏むのかというと、コンゴtoDRCの国境はコンゴの首都ブラザヴィルからDRCの首都キンシャサというルートとなって、これはコンゴ川を境にした自然国境なんです。ご存知のとおりコンゴ川というのは他の川とは桁違いの川幅なわけで、そこに橋はかかっていません。つまり船渡りということになります。それには莫大な費用がかかりますし、スティーブによると、もっと重大なのは国境は川の国境というものは治安が不安定且つ警察も信用できるものではなくて、トラック自体を失う可能性があるというのです。

だからこの一見遠回りのようなコンゴアンゴラ(カビンダ)→DRC→アンゴラのほうが入国、出国手続きは多くかかるものの、結果的には安上がり、且つ安全に移動ができるということなのです。もちろんこの場合でもコンゴ川は跨がないとならないわけなのですが、DRC側の中で橋のかかっているルートをとって難なくその向こう側に行くことができるのです。そしてDRC→アンゴラのボーダーは陸続きの従来通りの国境アタックに臨めるというわけなのです。

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カビンダに入ったものの、どこに寄ることもなく、一番の中心街であってもディーゼル補給のためにガソリンスタンドに30分ばかり停まっただけですぐに脱出、あとはひたすらに南下。夕方にはDRCとの国境にたどり着きました。

f:id:baobab-no-ki:20170317174802j:plainアンゴラとDRCの国境

とはいってももう日は傾いている時分だったので、今日はここ、アンゴラ移民局の前でキャンプを張らせてもらって、明日の朝から手続きに入ることになりました。