モロッコ18日目
昨日はモロッコと西サハラの境界線ギリギリのところにトラックを停め、ブッシュキャンプをしました。今日は朝から西サハラに入ります。
↑サハラ・アラブ民主共和国の首都レイユンの入り口 、ダチョウがお出迎え
今回のお話は西サハラについて、ここは領土問題を抱えた曰くつきの場所です。どことどこの国で揉めているのかというと、モロッコとサハラ・アラブ民主共和国という聞き慣れない国です。元々西サハラはスペイン領サハラというスペインの植民地でした。しかし1975年にスペインがその領有権を放棄し、その土地をモロッコとモーリタニアが代わりに分割統治させるということになります。ところが、西サハラの人々はすぐさま独立を目指し立ち上がります。
それはポリサリオ戦線と呼ばれ、当初は善戦しモーリタニアを撃退、その独立を認めさせます。しかしそのモーリタニア軍の空いたところへモロッコが攻め込みすぐさま支配してしまいます。それが現在まで続いていて、停戦はしているものの、モロッコが西サハラの西側から以東の大部分を占領しているのです。僕達が通っていくところも全てモロッコの実効支配地です。
↑黄色がモロッコの実効支配地、赤色がサハラ・アラブ民主共和国の占領地です。
日本の外務省は未だ西サハラが紛争地域であることと、依然の戦争時に大量の地雷が設置され、未だ残っていることからほとんど全ての領域を危険レベル3(渡航中止勧告)以上に指定しています。地図上の赤い地域はシリアと同じ危険度最大のレベル4(退避勧告)です。つまりこの場所を個人で訪れるにはリスクがあまりにも高いと言えるでしょう。
ただわたくし頭のネジが一本どっかいっちゃってるのか、お国が「行っちゃいけないよ、死んじゃうよ」と強く警告してるところに今いると思うとワクワクしちゃう自分がいる。そして実際には全く危険な雰囲気すら感じ得ませんでした。
現在このサハラ・アラブ民主共和国という国はモロッコ以外のアフリカ全ての国加盟しているアフリカ統一機構がちゃんと国家として承認していて、国際的にも南アジアを中心とし合計80を超える国から国家承認をされているのです。しかし日本はモロッコとの関係上この国を国家として認めていません。従って国際的には国家と認められてはいるが、日本は認めていないために日本の世界地図では西サハラの部分だけ白塗りにされているのです。僕も高校生の時になんでここだけ白色なんだろうと思った記憶があります。
↑日本の地図帳で見馴れた真っ白な西サハラ
以上全てWikipedia大先生からの引用でした。
明日は長かったモロッコ編最後の記事となります。