ベナン2日目

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ブードゥー教のオリジン、ウィダー  Ouidah

朝7時半にグランポポを去り、走ること2時間、ブードゥー教の本拠地、ウィダーにやってきました。この町は一昨日の記事で紹介した黒魔術の市場の言わば根源、本家家元というわけです。

ブードゥー教というものは世界的にみて、とても広がりのある宗教で、およそ5,000万人超の信者がいるそう。つまり世界の150人に1人はブードゥー教の信者ということになりますね。地味にすごい数字。その現在のものに至るまでも複雑でとても興味深いものです。元々はフォン人という先住民によってその原形は作られ、そこに欧州から白人たちがやってくる、彼らは原住民に対しキリスト教に改宗するように強制的にブードゥー教を弾圧していった。そういった影響で現地の人々はキリスト教ブードゥー教に組み込むことにより表面上はキリスト教として体裁を保ち、その文化を後世に受け継いでいったのである。その影響から今でもその中に聖母マリアキリスト教の聖人がみられるのだそう。まるで日本の隠れキリシタンのようでタイヘンおもしろいですよね。

またこの宗教は奴隷貿易のせいでアメリカ大陸に送られていったその奴隷たちの子孫にも受け継げられていて、アメリカ、キューバ、ブラジルといった黒人社会のなかでも高位置の宗教であるのだそう。そのように世界に散らばったブードゥー教全ての原点がここベナンウィダーという小さな町なのです。そしてこの宗教はベナンの国教でもあります。

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ウィダーに着いてまず行ったところが Sacred Forest 英語だと Secret Forest 日本語で「神聖の森」ということになります。ここにはブードゥー教に関する像や神樹などが祀られています。入場料は1,000CFA(180円)なのですが、カメラを持ち込むと2,000CFA余分に取られました。この中にあったモニュメントがとても刺激的で印象深かったです。

f:id:baobab-no-ki:20170207041809j:plainビンダチと切り子

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中には計10体ほどのこういった像が立っていました。そして英語のガイドが案内してくれるのですが、やっぱりネイティブの英語ですら聞き取りにくい僕にとって、アフリカ人特有のアクセントには全く閉口してしまいます。なので一々説明してくれたのですが、そのだいたいが理解できませんでした笑。でも全てに何らかの意味や神々の象徴を表す部分があるのだそう。ブードゥー教多神教なのです。

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上画はこの森にある神樹。樹齢は400年。これに触れるとパワーがもらえるそう、そう言われてもなぜかだれも触りませんでした笑。それより気になったのがキィキィという甲高い声をだして飛んでいたコウモリの大群。2、300匹はいました。

f:id:baobab-no-ki:20170207042001j:plain見にくいのですが、枝に逆さになってぶら下がっています。

なかなか神秘的というかカオスというか変わった雰囲気に包まれていました。一見の価値アリです。

そしてここでみたような像は町中いたるところに作られていて、ちょっと走っただけでも10は見つけられました。次に向かったのは海岸にあった巨大なモニュメント。

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この町からもまた多くの奴隷がアメリカ大陸にむけて送り出され、ここからは400万もの人が連れて行かれたのだそう。その記念碑として建てられたものです。

このモニュメントのすぐ近くに今日我々が泊まるキャンプサイトがありました。ここには巨大なプールがあって、宿泊者はタダで入れます。深さは4mくらいあって三段階にわかれた飛び込み台もありました。

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もちろん他の白人のみなさんはまもなく裸になって飛び込んでいきます。ぼくもこれには感動してすぐにでもジャンプしてみたいと思ったのですが、僕の踵はガーナにいた時にえぐられて負傷しています。そんな傷に水は大敵、飛びたい衝動をぐっと押さえ我慢してみんなが飛ぶのをプールサイドで見つめていました。

ここには2泊する予定で、明日の夕方にはブードゥー教の儀式のデモンストレーションを見学しにいきます。けっこう楽しみ。