ナイジェリア8日目
未だカメルーンとの国境に向けて南下中。その途中、ヒヒとチンパンジーを保護している施設があるということでそこに立ち寄っています。「います。」と現在形なのは、この施設は宿泊所も備えていて、今日はここに一泊して明日トラックに戻りまた走り出すという予定だからです。
その施設までの道程はとても細く険しいためにトラックでは向かえません。なのでトラックが入ることのできるギリギリのところまでいってそっから施設までの5Kmまでは徒歩かバイクということになりました。
↑テントと寝袋、この他に夕飯の材料と調理器具も運んでもらいました。
そこにはバンガローがあるのですが、1000円くらいかかるそうでここは自粛していつも通りテントに。その代わり、暑くて歩きたくなかったので500ナイラ(125円)払ってバイクで向かうことにしました。荷物は施設から四駆を貸してもらって運んでもらえたのですが、筋肉バカのアイリッシュ ブレークは筋トレだとか言って重さ30Kgはあるテントとマットレスと自分の荷物を背負って歩いていきました。クレイジーでしかない。笑えないホント。
↑自分の荷物も合わせるとたぶん40Kgはあると思われる
ただこのバイクという選択肢もどちらかといえば間違いでした。このバイクタクシーの運転手もまたクレイジーだったのです。道に慣れていることをいいことに山の中のなにも舗装されてない砂利道を70Kmの速さで爆走。体感はもう90、100Kmの世界。スリップでもしたらただの怪我で済まないことになりますね。なんかもう運が尽くまでのチキンレースのような気もしてきます。
さてまあ命からがら五体満足でたどり着いたのがマウントアフィー野生動物保護区 Afi Mountain Wildlife Sanctuary
ここでは主にヒヒとチンパンジーを保護しており、奥地には森に住む象もいるのだそう。ここにはオランダ人の初老の男性とアメリカ人の若い女性がボランティアとして働いていて、他全ては地元の黒人が働いていました。
着いて早々ヒヒに餌をやりに行く時間だそうでその見学に行くことに。
ここにきた時最初に目についた大量のバナナやアボカドの山は、ここで収穫されたものでそれを村に売り出すのかと思っていたら、その逆、村から安く仕入れてきて動物たちに与えるためなのだそうです。それらを台車に積んで彼らにあげに行くのです。
↑大事なトコロまで撮っちゃってごめんなさい
彼らは電気の通った鉄線によって囲まれた中に保護されていて、逃げられないようになっています。このような柵がいくつか設けられていて、それぞれに一つのグループが生息しているのです。でもこの柵外にもヒヒはいて、それらは野生のものだそう。上画のヒヒはグループを束ねるボス猿で、一際大きく目立つ配色とキレイな毛並みを有しています。それらの下に若いオスや子持ちのメスがいてそれらから構成されて一つのグループとなるのです。
種は全くちがうも我が国のニホンザルとそのどことなく雰囲気は似ているような気を起こしました。実家は田舎でよく猿を見ていたので、彼らをみていてどこか懐郷の感がありました。
拠点に帰ってくると近くに吊り橋があるとのこと。あれっ確かアフリカに吊り橋は2つしかないはず、その内の1つはガーナのカクン国立公園にて渡っています。するとここのがもう一つの吊り橋なのか?こんな簡単に2つとも制覇できちゃうものなのだろうか?でもその2つしかないという情報は天下のロンリープラネット様から得たもの。じゃあ合ってるのかも。まあいいや、アフリカにある2つの吊り橋制覇したってことで…この先南アフリカとかでまた吊り橋見つけたりしそう。
↑何本か架かっていたのですが、メンテナンスが行き届いてないとかの理由で一本を行って帰ってきただけでした。
彼らの保護柵に近づいていくと、こちらの気配に気がついて、けたたましいチンパンジーの叫び声があたりに響き渡ります。彼らは人=飯をくれるものだと頭にインプットしているのです。さらに目の前までいくとその興奮の沸点を越え最高潮になります。耳を塞ぎたくなるほどの不快な気味の悪い高音の鳴き声。すぐに僕がギニアで見た野生のチンパンジーとの違いに気がつきます。毛並みが悪くて、腹は肥え、目が錯乱しています。なにか今までに見たことのないもの、未確認生物に遭遇した気分です。
↑白いものは歳をとったせいでそうなったのでなく薬による副作用でなったものだそう
聞くところによると、ヒトとチンパンジーのDNAは3%しか違いがないそう。つまり97%は同じDNAの構造だということ。たった3%でこんなに違うものなのかとも思うし、97%も同じなんだったらほとんど人間なんじゃないかとも思います。
彼らを観察していてわかったことは人とおんなじで、毎日与えられる餌を食べ、自らは働かずただ寝て暮らす、そんなことをすれば生気のない気持ちの悪い奇妙なナニカになってしまうんだな、ということ。そしてこれを見て思案を率直に言ってしまうと、みんな殺して楽にさせてあげたい。そんなことをする意味も権利もないけれど、でもそう心に浮かんだのです。
人もチンパンジーも生きようと努力してなんぼじゃないかしらん。
↑生後5ヶ月の赤ちゃんもいました。この子はまだ無垢そのもの。
最初に言った通り僕らは今日ここに泊まります。ここにはガスボンベがあって調理器具も備わってました。つまり材料だけ持って来れば良かったということ。他にシャワーもあり。
そして支払うお金は寄付という形でたったの250ナイラ(60円)。引くほど安い値段です。もちろんもっと払おうと思えばいくらでも寄付できますし、数名はプラスアルファでお金を渡していました。僕はここで暗鬱とした気分になったのでそれ以上は払いませんでした。
明日は歩いてトラックに戻ります。ここを朝の7時出発です。
ナイジェリアの最後からカメルーンの北部までずっとインターネットから見放された環境にいました。考えてみれば約2週間で、この旅最長、いや人生で最長のネットからの圏外生活でしたね。なんで、記事がいっぱい溜まってしまい一気放出となってしまっています。まあ、といっても半分は休みなのですが…笑 2017-02-25