ナイジェリア3日目

f:id:baobab-no-ki:20170209021635j:plainなかなか手ごわいナイジェリアさん

今日は朝7時に助手席に腰を掛け、移動日2日目のスタートです。といっても昨日はあまり距離を稼げなかったので今日が本格的なものになりました。今日中にはアブジャの手前までいってブッシュキャンプをし、翌朝に到着、大使館にビザを申請にいくという予定でありました。結果をいってしまうと全くのおおはずれ。500Km残っていた道のりの半分も満たないところでブッシュキャンプを張ることになりました。

f:id:baobab-no-ki:20170209022121j:plainお分かりいただけるだろうか?反対車線を逆走してる車があることを…事故りたいのかな?

理由はまず酷い悪路、その次に検問、賄賂の請求があります。

第一の悪路に関しては、これまでにもなんども通ってきました。それに今までの中でも格段に酷いものというわけではありません。それでも次の写真のようなものではあるのですが、

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まあひどい有様ですね。コンクリの道が途絶えそこから土むき出しのまさに凸凹ロードとなっています。前にも言いましたがここを巨体のトラックが通ると何かに掴まってないとならないほど車内はシェイクされます。もちろん徒歩のスピードで走ってもです。

なのでこれが一番大きな遅延の要因。

次に検問。ナイジェリアには連邦警察とローカルの自警団の二重じかけの検問が仕掛けられています。前者は今までの国の検問のように銃を肩に掛けた警察官がいて、比較的すんなりと通してくれるし、時には止めずに行っていいよと言ってくれる場合もあるほどです。

面倒なのは後者の自警団の皆さん。

f:id:baobab-no-ki:20170209022057j:plain自警団3人とそれに対しているドライバースティーブ。

この人たちは銃は持っていないまでも制服は身につけてしっかりとした団体ではありそう。彼らは百発百中で僕らを停めて(白人共が酔狂にもこんなところを走ってるのが怪しいから)、且つねちっこく色々な質問をぶつけてきて足を引っ張ってきます。あんた達はどこからきてどこにいくのか?国籍は?免許証をみせてほしい、右ハンドルはここでは違法ではないか(そんなわけはない)、こういった次々と飛んでくる質問にスティーブが逐一答えていきます。

こうしたことが今日だけで数十回数えられました。連邦警察の3分後に自警団の検問にかかるなんてことも何度かありましたね。

そして一番厄介だったのがこいつら、もう敬称もなにもありません。あるのはうざいという事実だけ。

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止める権力がないからタイヤをパンクさせるように木に釘をつけて物質的、強制的に止めてくる

こいつらに対して普段は温厚で冷静なスティーブが激昂しちゃったくらいです。事の発端は最初にこいつらにあった時から、こいつらは交通税をとってるといって通行証を買えと言ってきました。まるで嘘くささ満載。絶対に税じゃなくてお前らの懐に入るのが落ちなんだろ。それで交渉は長引きそうだったので、ここで昼食をとることに。その間にもスティーブは彼らの相手をしていて、遂には買わされました。タイヤパンクさせられるのも嫌だったから、まあ脅しに対する賄賂ですね。

f:id:baobab-no-ki:20170209021729j:plain通行証、約5千円とられました。

ただこれで終わらなかった。また30分も走ると同じような釘付き棒を持った連中が目の前に立ちふさがります。仕方がないので証明書をみせると、これはちゃんと登録までいってないからいけないと言うのです。これにはいつも冷静沈着なスティーブも激昂。相手に掴みかかって証明書をもぎ取ろうとします。それに対し検問男が「マスター、マスター、クールダウン」と繰り返します。やがてスティーブも落ち着きを取り戻し、どうせ”登録”を済ますには金を要求するんだろうと言って、それなら前の検問所まで戻ってそいつらに登録させるといいます。

そしてトラックが引き返そうと動き出すとまた「マスター、マスター」の連呼。それで止まって話をするとタダで登録してくれることに。それに要すること30分。さあ終わって出ようとすると「ギブミーマネー」の応酬。タダって言ったじゃん。まったくちゃんと働いて金を稼げよ。他大多数の人はそうして真っ当に生きてんだよ。と言いたくもなりましたがそんなことをすらすら言えるほどの英語力はまだ身についてません。仕方がなくスティーブが自分の服をいくつかやってなんとかその場は凌ぎました。

そしてまた30分後に新たな検問男のお出まし。また証明書を見せ、なんかよくわからないいちゃもんをつけてきます。これを適当にあしらって何もなく出発できることになると「ギブミーマネー、ギブミーサムシング、マスター」の声。なんでなんだよ。もはや理解できない。無視して出ると、よく聞き取れなかったのですが多分「神がお前に裁きをくだす」みたいなことを何度も叫んでました。それにスティーブは「神なんて信じてないから問題ない」と一言。

結果こいつらのおかげだけで2時間は足止めをくらいましたが、僕は苛立ちを覚えながらもちょっと楽しんじゃいました笑。こういう日本の文化とのラディカルな価値観の差異はとても興味深い経験です。

 

まあこのような数多くのトラップで全く思い通りに進めなかった一日となりました。明日は早朝スタートになりそうです。首都に近づいていくので道は改善されていくかもしれません。

 

あっ。昨日の一週間レポで語った困難、めちゃ簡単に解決しちゃいました。パスポートのページが足りなくなってる問題です。実は昨日の夜、南アフリカの大使館にメールで問い合わせておいて、その返事が今日届いたのです。さすが日本人は仕事が早い!その内容はケープタウン総領事館でも増補はできて、しかも1時間も待てば受け取れるとのこと。尋常じゃない早さじゃん。これで決まり!ということであっさり問題解決。

ただ他のイギリス人のタミー、ボブやカナダ人のマークも同じくページ数欠乏症に困っていて、彼らは大使館でパスポートを再発行したり増補したりできないらしく、一度本国にパスポートを送っての手続きになるのだそう。めんどくせーっ!!あー日本人で良かった笑。