トーゴ1日目
10ヶ国目 トーゴ共和国 (地図灰色)
トラック紹介 内装編
前回の国境超えは2週間以上も前。久方ぶりに新しい国に入ります。その名もトーゴ。なんでもフランス語が話されるアフリカの国の中では一番小さい国なのだとか。
ガーナを抜けてトーゴに入るのはいつもどおり人数が人数なので時間はおそろしくかかるもののそれ以外は問題なく出国そして入国。結局、入国スタンプをもらうまでに合計3時間ほどかかりました。トーゴでの目的地は首都 ロメ。僕達が今いるところは細長いトーゴの体の真ん中あたり。そしてロメは海に面している街なのでずっと南下していきます。
でもトーゴに入った国境近くに滝があって、そこにランチがてら立ち寄ることに。そしてその後には滝の上まで登ってくツアーがあって半分以上はそれに参加していきました。値段は安く400円ほど。普段の僕であれば登っていくトコロなのですが、今僕は昨日言ったように、傷を負った身なのでトラック待機組みとして居残ります。
その待ち時間の間。随分前に書いたトラック紹介(モーリタニア5日目 最終日 - 人生、道楽)、の続きとなる後編を書くために、トラックの内部紹介の仕込み、撮影をしてました。なので今回はトラック内装を写真とともに紹介していきます。
まずは内部の全体図を引きの絵で。このトラックに無駄なスペースなど存在しません。全ての空間に収納できるように工夫され、合理的に設計されています。例えば床。
木の板で幾つかに区切られており、全てに何かしらのものが入っています。下の写真のように、
あるセクションには食料が詰め込まれています。米、缶詰、小麦粉などなど。二層構造になっていて、底にもたくさんの缶詰があります。50個くらいいちごのジャムがあったりしますね。他の床下には野菜があったり薪があったりします。金庫もこの床の底の下に仕込まれています。これセキュリティ上ホントは書いてしまってはダメなんでしょうけど、日本語というマイナー言語のブログなのでの問題にはならないかなと。
この画像の奥に見えるクーラーボックスには各個人の酒や果物が入ってることがほとんどです。
座席は二人がけの日本のバスでよく見かけるあの感触のもの。シートベルトも備わってますが、年配のメンバーだけが使っている印象。個人の荷物を入れておくロッカーはどこかというと、それが座席の下に隠されているのです。
これが僕のロッカーの中。汚くてお見苦しいですがお見せします。基本的にみんな自分のロッカーの席に毎度座っています。これは暗黙の了解というか軽い決まりごとなので交渉すればどこにだって座れます。
僕のロッカーは”ビーチ”の真下。上画でいうと右側になります。ビーチとはなにか?後でちゃんと紹介しますよっと。
次は天井近辺の装置を。床から天井までの高さはだいたい2mとちょっと。ここでは空間に余裕をつくっています。この天井に頭をぶつけるほどのノッポさんはいません。
これは天井の収納。勝手よくとりだせるように頻繁に使うものをここに収めています。ただしっかりと奥まで入っていなかった物が不意に落ちてくることが多々あり危険です。まあいつ落ちてくるかわからないから注意してもしきれないけれど。
窓際の四つ角にはそれぞれスピーカーがついていて十分な大音量、高音質で音楽を聞きながら走ることができます。彼らのかける音楽の中から新たな発見があったりなかったり。その奥に見える長方形の白い物はLEDライトです。
もう一つ黒いスピーカーが別に設置されていて、これはドライバースティーブが運転席からマイクで名所に差しかかったりこれからの予定をアナウンスするために使われます。逆にこちらから運転席に声をかける手段はなくって、その代わりにバズと呼ばれるボタンが設けられています。
この黒いボタンを使ってトイレ休憩や緊急の停止などをを要求することができるのです。1回押せばトイレ、2回だと写真を撮りたいといった具合に。
横にある白いスイッチは電灯のオン・オフスイッチ。
最後の天井装置。これは電源ですね。シガーソケットがいくつもつけられていてそこにUSB充電用のものをはめ込みスマホやカメラなどを充電するというわけです。年末に一度壊れてしまってスティーブが自力で直してくれたのですが、それ以降24Vになってしまい、充電できなくなった人もいました。僕は万一また壊れて再起不能の状態に陥ったとしてもモバイルソーラーパネルを持参しているので安心しています。何人かソーラーパネル持参の人いますね。
続いては先程触れた”ビーチ”。上画のものがそれで、ここは寝っ転がって日光浴したり、膝立ちしながら外の風景を楽しむことができます。ただ半分身を乗り出しながら時速80Kmで走っている中なにかが飛び出してきて急ブレーキかけたり、他の車と体当たりでもすれば外に吹っ飛ばされることは不可避。そうなれば運良く命は助かったとしても(十中八九痛みなく死ぬと思うけど)ツアーを続けれないほどの外傷は確実でしょう。人生にすら無事に復帰できないかもしれない。
そのためにかちゃんと要注意のプラカードが貼ってあって、ここには「走行中にビーチの上で立ったり座ったりするな」と書いてあります。もちろんこれはタテマエ、責任回避の方便なのであって、乗客はみんな顔を出して外を眺めています。人はとどのつまり自分の身に危険なことが降りかかるとは想像しないものなのでしょうね。自分は大丈夫だという根拠のない自信、無鉄砲、希望的観測。そして有事が起きてからまさかこんな惨事が自分の身におこるなんて!と思うものです。
↑こんな感じでね。涼しくて最高に気持ち良いものです。この人物はアイリッシュ ブレーク
スティーブもそのことに口出しをしません。でも何かあった時にこちらは責任を取れないよというサインということなのです。それをこちらも承知して死ぬ覚悟(厳密な覚悟は毛頭ないが事故ったらまあ死ぬだろうという漠然とした思い)を持ち、大袈裟に言えば運命に身を委ねて、毎度ここから景色を見渡しているのです。またこれがトラックで一番高いトコロだから見晴らしが良くて全く見飽きないんですよね。命を懸けるほどのことではないのかもしれないのだけれども。
また夜には外にテントを張らずにここで寝ることもできます。優先はその日の給食当番の人です。しかし、彼らがテントで寝て、他の人複数名がビーチに寝たいとなったらそれはコインで決めることになります。
↑ビーチ専用の蚊帳がついてます
てな感じでめちゃくちゃ長くなってしまいましたが終わりにします。3,000字近い…最長ですね。これも前後編に分けてしまおうかとも思いましたが次がいつになるのか読めなかったので、無理にでも押し込んじゃいました。
↑ナショナルジオグラフィックのアフリカ大陸図が貼り付けてある。こうしてみるとでっかくて途方もない大陸なもんだ、といつも感じます
このような設備のおかげで快適に移動できているし、なに不自由ないし、やっぱりここはみんなの動く城ですね。以上トラックレポートでした。前編もみてね。
今日は滝ツアーからみんなが帰って来た後にもう一度移動、しかしロメにはたどり着かず明日に持ち越しとなりました。